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『どきんちょ!ネムリン』研究

『どきんちょ!ネムリン』(1984〜85)を敬愛するブログです。

第3話「不思議なブローチ」(1984年9月16日放映 脚本:浦沢義雄 監督:岡本明久)

ストーリーガイド

【ストーリー】

 夜、食卓を囲むパパ(福原一臣)、ママ(東啓子)、ネムリン(声:室井深雪 人形操作:塚越寿美子、田谷真理子、日向恵子)、マコ(内田さゆり)、玉三郎(飛高政幸)。あしたゴルフだというパパはやたらと愛想よく、「玉三郎、食べなさい食べなさい」としきりにそうめんを薦める。

ネムリン「ママ、そうめん、おかわりっちょ」

ママ「はいはい、よく食べるわね」

 ネムリンは、ちゅるちゅるとフォークでそうめんを食べる。

 パパは玉三郎にも「たまには1杯くらいつきあえ」といい、ママに「あなた!」と言われると「冗談、ご冗談ですよ」と笑う。

マコ「なんか、上ずってるわね」

 

 玉三郎の部屋で、パパがあしたのゴルフコンペのために金を貸してくれと玉三郎に懇願。

玉三郎「やっぱりそんなことだろうと思ったよ。きょうに限ってそうめんばっかし食えって」

 もみ手して笑うパパ。

玉三郎「いつもなら肉は控えめにしろとか、にんじんやねぎは体にいいからって薦めるくせに」

 呆れる玉三郎

パパ「5000円もあれば」

玉三郎「パパ、おれまだ小学生だぜ。5000円なんて」

 パパは「知ってるんだ」と勝手に引き出しを開け、「この貯金箱の中にお盆に世田谷のおばあちゃんちに行ってもらった5000円札が入っていることを」。

玉三郎「そんなことすると、おれ、非行に走るよ」

 パパはコブラツイストをかける。

玉三郎「ギブアップ〜」

 

 パパは上機嫌で、ママにめざましを頼む。

 

 マコの部屋のベランダで、マコとネムリンは飲み物を片手に夕涼み。そこへママが来て、あしたの朝のために目覚まし時計を貸してくれと言う。

ネムリン「ネムリン、起こすちょ」

 

 翌朝、パパとママの寝室にビビアン(声:八奈見乗児 スーツアクター:山崎清)とモンロー(声:田中康郎 スーツアクター:石塚信之)が入ってくる。

ビビアン「5時よー!!」

ママ「何なのよ、あんたたち」

ビビアン「ネムリンに頼まれたのよ。パパを5時に起こすようにって」

 ビビアンはパパを担いで運んでいく。

ママ「こんな生活、もう厭」

 だが次の瞬間、ママはいびきをかいて寝る。

 

 パパはふらふらしながら玄関を出る。見送るビビアンとモンロー。

モンロー「行ってらっしゃーい」

 牛乳配達に来た牛乳屋のマサト(高木政人)は、ビビアンとモンローに驚いて腰を抜かし、逃げ出す。

ビビアン「忘れ物よー」

 

 朝食どき、ママは牛乳がまだ来ていないという。そこへ「おはよう」と玉三郎が。

マコ「お兄ちゃん、おはよう」

玉三郎「何、この朝食は」

 玉三郎は「はい」と手を挙げ、ママは「はい」と指す。

玉三郎「おれの体見てよ。おれはっきり言って肥満児だろ。肥満児がこんな朝食で生きていけると思ってるの? おれ、国際肥満児協会に訴えるよ」

ママ「訴えなさい」

玉三郎「訴えるよ。訴えて国際問題にしてやるからな」

 玉三郎は電話帳で番号を調べ始める。

 

 牛乳店にいるマサトへ、ビビアンとモンローが「だめじゃないの〜」とたくさんの牛乳を運んでくる。配った牛乳を回収してしまったのだった。

ビビアン「牛乳こんなに忘れてきちゃ」

マサト「ああ!」

ビビアン「私たちがね、全部拾ってきてあげたわ」

 「ああ疲れた」というビビアンに、「もうやだ」とマサトはへたりこむ。

 

 マコの部屋で、玉三郎はハンバーガー買う金をマコにせびっていた。

玉三郎「お兄ちゃん、ハンバーガー食べないと生活できない」

マコ「生活しなければいいじゃない?」

 「お兄ちゃん怒るぞ」と言う玉三郎に、マコは「怒れば」。玉三郎は手を振り上げて威嚇し、マコは逃げる。棚で寝ているネムリン。

マコ「ネムリン、寝てないで何とかしてよ」

 「また玉三郎っちょ」と起きたネムリンは、「ハンバーガーが食べられればそれでいいっちょ」と角笛を吹く。おまじない石が現れた。その石をブローチにすれば、願いが叶うのだという。

ネムリン「その石は食べたいものが食べられるおまじない石っちょ」

玉三郎「ほんとかよ」

 ネムリンは目を閉じて「シュミチョミレパピッチョっておまじないするっちょ」と説明。

ネムリン「玉三郎、頭悪いっちょ。その分、素直に生きるっちょ」

 玉三郎は「このっ」とネムリンをつかまえようとする。

 

 公園のブランコに飛んできたネムリンが寝ようとしていると、「眠ってる場合じゃないのよ」と、ビビアンとモンロー、マサトが牛乳を運んでくる。怒っているマサトは「貸せ!」とビビアンから牛乳を取る。

ビビアン「乱暴ねぇ」

 

 玉三郎は「よし、ハンバーガーが食べられるぞ」とバーガーショップへ。

玉三郎「シュミチョミレパピッチョ」

 店員(吉村よう、松山薫)は「ご注文をどうぞ」。

 

 公園でネムリンは角笛を吹いた。牛乳は浮かび上がり、各々のポストへ飛んでいく。喜ぶビビアンとモンロー。

ビビアン「忘れ物が飛んでいくわよー」

 

 玉三郎は「シュミチョミレパピッチョ」と繰り返し、店員は「変な子だね」と気味悪がっていた。

玉三郎「ネムリンのやつ、いい加減なこと言いやがって」

 そこへ中山(岩国誠)が。

中山「聞いてくださいよ。うち、今朝の朝ごはんないんです。お金持たせてハンバーガーでも食べてこいですって。こんな家庭ありますか」 

玉三郎「へへー中山、お前もしかして、おれにハンバーガーおごってくれる気じゃ」

 玉三郎は、おまじない石で願いが叶ったと納得。

中山「あ、ちょっと待ってくださいよ」

玉三郎「ハンバーガーふたつ!」

 店員は笑顔で「はい!」。

 

 マコがおまじない石を磨いていると、ビビアンはひとつ持って行く。そしてビビアンは鏡台で、化粧し始める。

ママ「ビビアン、その化粧品高いんだからやめてよ」

 ビビアンは「おだまり!」。ネムリンが角笛を吹くと、ビビアンは人形に戻った。ビビアンは綺麗になるためのおまじない石をつけていて、それで突然化粧を始めたのだった。ママは人形になったビビアンを叩く。

ママ「あいたたたたたたたたたたたた」

 それを玉三郎と中山が聞いていた。

 

 ネムリンは、「友だちと仲良くなるおまじない石」「好きな人が現れるおまじない石」などと効用をマコに説明。玉三郎と中山は、やはり盗み聞き。

中山「勉強ができるようになるためのおまじないの石もあるみたいですよ」

玉三郎「それさえあれば、来年堀越一発で入れるな」

中山「まあ」

 階下からモンローが、ふたりに声をかける。

モンロー「おまじない石なら、おらいっぱい持っとる」

 にやりとする玉三郎と中山。

 

 モンローは玉三郎と中山に「これがおまじない石だ」と渡す。さっきネムリンが持っていたカラフルな石と違って、ただの石ころに見える。玉三郎と中山は、手分けしておまじない石を宣伝して回っていた。マコはそれを見かける。

 公園にて、子どもたちの行列が。玉三郎たちは変な商売を始めていた。

玉三郎「これからモンローさまが君たちの悩みや願いを叶えてくれる」

中山「では最初の人」

少年「どうかお小遣いが値上がりしますように」

モンロー「モンローモンローモンロー。ビビンバクッパー」

 「喧嘩が強くなりますように」「どうか結婚できますように」など各々の願いごとが唱えられる。見ているマコ。

 

 部屋で、マコはネムリンに玉三郎の話をする。ネムリンによると、モンローが持っているのは、おまじない石ではないという。

ネムリン「あれは8億年前のただの石っちょ。ビビアンとモンローがおはじきするために持ってた石っちょ」

マコ「それじゃあ、いまごろ!」

 

 8億年前のただの石を持った少年は、母親にお小遣いを要求し、おしりを叩かれる。「さあこい」と喧嘩を挑んだ少年は相手に逆襲される。プロポーズした少年は、女の子(秦暎花)に「どうして私があんたと結婚しなくちゃいけないの」と引っぱたかれる。

 

 ひどい目にあった少年たちは「嘘つき」と玉三郎と中山を袋だたきに。

モンロー「おら知らねぇ」

 中山と玉三郎も責任のなすり合いに。

玉三郎「中山!」

中山「何です、やる気ですか」

 「この野郎」と取っ組み合う玉三郎と中山。駆けつけたネムリンとマコ。ネムリンはおまじない石を玉三郎と中山の頭につける。

ネムリン「仲直りするおまじない石をつけたっちょ、見てて」

 笑顔になった玉三郎と中山は抱き合う。

 

 夜、大岩家の夕食はレストランでの外食。「もう何にも食えない」と玉三郎。だが居間で、玉三郎はがつがつケーキを食べる。

 

 マコの部屋で、ネムリンは8億年前の石を「玉三郎がほしがらないように」棄てるという。

マコ「え、どこへ?」

ネムリン「お星さまの向こうっちょ」

 ネムリンが角笛を吹くと、ケースに収まった石は星空に飛んでいった。微笑むマコとネムリン。

 

【感想】

 おまじない石の設定解説編。だが角笛が毎度使われるのに対して、おまじない石がこの後役立つことはあまりなかった(願いごとが叶うというのは、便利すぎて?作り手としては使い勝手が悪かったのかもしれない)。序盤だけにファンタジックで穏やかなトーンで、第9話あたりから始まる波乱はまだ窺い知れない。

 

 息子に金を貸してくれといきなり頼むパパには驚かされるが、翌日息子が妹に金をせびるあたり、さすが親子というほかはない。パパの台詞に出てくる「世田谷のおばあちゃん」は、第8話に登場する強烈なおばあちゃんのことか。

 玉三郎は「非行に走るよ」と言っていて、いかにもこの時代らしい。シリーズ前作『ペットントン』(1983)の台詞にも「非行」の言葉が散見され、『ネムリン』にもこの後で度々登場する。

 玉三郎と中山が対峙するシーンでは、中山が「何です、やる気ですか」と言っており、第2話につづいて、『ペットントン』の根本と台詞回しが同じ…。

 金がないと言っていたのに後半に外食しているのは、景品に食事券でももらったのだろうか。

 

 今回の岡本明久監督は、『ネムリン』では4本を撮っており、今回と第15話は『ネムリン』としては無難だったが他2本は怪作で、特に肉まんとアイスが戦う第16話は見もの。他に映画『横浜暗黒街 マシンガンの竜』(1976)や松田優作主演の『暴力教室』(1976)、オリジナルビデオ『女バトルコップ』(1990)などバイオレンス系を手がけている(!)。

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 牛乳屋のマサト役は、『バッテンロボ丸』(1982)や『ペットントン』にて主役スーツアクターを務めた故・高木政人氏。『ペットントン』ではスーツアクターのほかにそば屋のマサト役として時おり姿を見せていて、『ネムリン』にも登場する。

 結婚を迫る少年を平手打ちする女の子役は、秦暎花氏。この当時、『星雲仮面マシンマン』(1984)のレギュラーや『宇宙刑事シャイダー』(1984)の第32話、『ゲゲゲの鬼太郎』(1985)など多数のテレビ特撮に出演しており、今回も出番はほんのわずかだがなんか凄みがある。

 

 大岩家のみなが外食したレストランは、『宇宙刑事シャイダー』の第6話、『ペットントン』の第31話、『時空戦士スピルバン』(1986)の第36話などでも使われている。

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